田中まじめ滅餓寧武露愚

よろしくお願いします。

we are little zombies

ウィーアーリトルゾンビーズ!面白かった。一日何となく余韻を引きずってずっと考えていた。なので感想を書かせてください。


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まずベースの男の子とピアノの女の子のフレッシュさ、ボーカルの存在感、ドラムのひょうきんな雰囲気、4人のチームが素敵だった。ベタ逃がすとこのヒカリの優しさとか、オレンジジュース飲むときの映像とか。そんなのがたくさん。


岩井俊二と比較している感想をたくさん見たけど、個人的には岡崎京子とか日本橋ヨヲコ的な乾いた感じというか、感情表現に乏しい子供にまつわる話というか。あいざわりくとか。を感じた。


全体的にピコピコしてたりCGも随所で使われていたりしてそこは好き嫌いが出るかもしれない。きっとこのあたりが良い悪いではなく岩井俊二との違いを強く感じたところ。


この映画は何を表現したいんだろうという目線でつい見てしまうのだけど、見ているだけだとわりと最後の方まで分からなかった。


それは色々な細かいテーマを感じる瞬間がいくつもあったからで、劇中にはチャプター表記が出て12章くらいに分かれていた。今思うとたぶん12章分くらいのテーマがあったのかも。


言葉がすごいスピードで消費されていくこと、子供と大人の差は何か、いじめやマウンティング的なもの、ネットで必要以上に悪を叩くこと、スマホ依存、などなどに対するカウンターを感じた。こういうものが章ごとにある気がした。もう一度見たい。


ゾンビーズのカバー曲が良かった。


ラストシーンは、「お前もやるだろ?ゾンビじゃねえだろ?」に感じた(夢オチ示唆の考察も多かった)。


死んだように生きている=ゾンビというテーマもあった。スマホの画面を見つめるサラリーマンがゾンビ的な足取りで電車のドアから大量に吐き出されてくるシーンがあったわけなんだけど、個人的には本当に思考停止してゆるやかに死ぬように生きている人なんてあまりいないんじゃないかと思う。


大衆を思考停止ゾンビに見立てたような映画を、超大手広告会社である電通に現在も在籍している監督が制作するという。意味深長。


ラストシーンに向かっていく映画を眺めながら「みんな日々がんばってそれぞれの幸せを感じて生きている。生きてこそだ。」と思っていたら、iPhone地震アラームがけたたましく鳴り強烈な揺れがきてビビった。


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他にも中島セナちゃんの撮影した写真が見てみたいなとか、薬指は永瀬正敏がやったのかなとか、色々考えた。見終わった直後より一日かけてジワジワ面白くなってきた。なので書かせていただきました。ありがとうございます。また見たいです。以上。ばーい。