田中まじめ滅餓寧武露愚

よろしくお願いします。

ゴッドタン 〈アンガ田中の勝手にお悩み相談〉

ゴッドタン、アンガールズ田中さんによる勝手にお悩み先生回が面白かった。田中さんの鋭い意見が積み重なっていくことで話の信憑性が高まっていきグルーヴが生まれていた。


後半にいくにつれて盛り上がりは最高潮を迎えてついつい忘れてしまっていたが最初に安倍首相に対するアドバイスも送っていた。すごい。


阿部首相へのアドバイス内容は「何も用意せずにカメラの前に出てみた方が良い」とのこと。その場の空気から感じて言ったことの方が伝わる場合もある(意訳)と言っていた。


勝手にお悩み相談、一人目の相談者は元AKB西野さんへのアドバイス。リアクションの難しさについて、「声や表情などの才能も必要」「人の話をちゃんと聞くこと。三回のラリーでオチを見つける余裕を持とう。MCは一番オチを探してくれている。MCと協力して作っていることを知ろう」。仕事に向き合う姿勢は業種を越えて勉強になる。


紺野ぶるまさんも出演。結婚したらしい。こんなにかわいかったっけ!?というくらいかわいい雰囲気が出ていたのは結婚生活によるハッピーオーラなのかも知れない。


紺野さんの有名な持ちネタは「ちこなぞかけ」。結婚したことにより尖るか丸くなるか悩んでいるはずと、勝手なお悩み相談を開始。「尖る方が良い。面白いと思うことを追求しよう。ネタの前に『結婚してシモネタが言いにくくなったのですが、』と付け加えることにより背徳感が増して面白くなると思う」と言っていた。


その後、すぐにちこなぞかけをやる場面があって紺野さんは「結婚してシモネタが言いにくくなったのですが、」をナチュラルに付け加えていた。アドバイスを即実行できて素直で優秀な人なんだなと思った。


少しわざとらしいくらい背徳感のエッセンスを足していたけど、アドバイスを真摯に受け入れたことが伝わってきた。素晴らしい。


更に、この優秀さこそが紺野さんの悩みでもあると指摘する田中先生。弱点は面白いに繋がることが多いが、その弱点がないことこそが弱点になっていると。矢作さんも言っていたが、このアドバイス直後の紺野さんの表情から真剣に聞いているが伝わってきて良かった。


ここでのアドバイスは「年齢を重ねること。おばさんという芸能界でよく使われるイジられシロがある。年齢を重ねることにより『おばさんなのに』というところからシモネタが更に面白くなっていく」と。「イジられシロ」という言葉も初めて聞いた。なるほど。


三人目の相談者は田中先生が小木さんを指名。指名を受け珍しくテンパる小木さん。田中さんが勝手に見出した小木さんの悩みは「ネットには矢作さんがいない」。


小木さんの魅力は誰にも言えないことを言う毒舌で、小木さんにしか言えないような逆張り発言があるのだけど、その魅力である逆張り発言がネットで炎上していることに悩んでいるはずと田中さんは分析。


小木さんは、「あんまり言いたくないけど」と前置きして、小木さんの発言に対する苦情が、森山直太郎さん、森山良子さん、小木さんのご夫人へ及ぶことを悩んでいると告白。


田中さんの回答。「小木さんのスタンスは昔から変わっていないけど、世の中が変わっていっている」「小木さんの毒舌は矢作さんの『小木言い過ぎだぞ』までがワンパッケージ」で、これが「ネットには矢作さんがいない」の意味。


ナイナイ岡村さんのことも思い出した。ちょっと違うけど。(矢部さんは「あの場に俺がいたらもう少し違う結果になっていたかも知れないけど、岡村さんの本質が変わらないといけない」と言っていた。それに対して小木さんの逆張り発言は天然で出るものか求められて出るものかと聞かれ「ケースバイケースで五分五分」と答えていた)


田中さんは続けて、「小木さんは、逆張り発言を求められているけどその割合を減らしてみてはどうですか」、「普通8逆張り2でも小木さんの良さは伝わりますよ」と言っていた。「現状、毒舌が許されているのはオネエとおじいちゃん。20年後にのびのびやるのが良いですよ」と。


エンディングテーマが流された後のシーン、小木さんが最後に「世の中の流れの早さについていけなくなっている。抑えた発言も炎上して、炎上が怖くて抑えすぎるとスベッた感じになる。」と心情を吐露していた。リアリティがあった。


そして劇団ひとりさんが「頼むよネット、これ以上小木さんを苦しめないでくれよ」と言って終了。劇団ひとりさんの最後のセリフに今回のテーマが全て集約されているように感じてしまった。


ご家族にまで苦情がいくことに悩んでいた、小木さん、今回は「時流もあるのでこれからは毒舌の割合を減らしていきますよ」という宣言だったのではないだろうか。そしてそれは佐久間P主導による優しいワンクッションだったのではないかと考えてしまった。これは完全に私の妄想。


岡村さんラジオの大炎上もあったが、おぎやはぎさんのラジオも負けず劣らず緩めのコンプライアンス。田中さんも言っていたけど毒舌がゼロになったらと寂しい。また逆張りは、普通が気持ち悪いという逆側の人にとっては救いになっている部分もあると思う。


個人の感情<社会の正義が徹底されすぎていて自分のような人間には苦しくなるときがある(自分が悪いのだけど)。情報が溢れているので、感覚的なものより理屈が強い(そっちの方がより多くの人の理解を得られるので、当たり前か)


考え過ぎだろうが、今回の田中先生回はタイミング的にもインターネット世界における匿名からの誹謗中傷に対するゴッドタンからの回答なのかも知れない。


色々な作品にはテーマがある。最近私が見たいテーマは『「正義は我にあり」とここぞとばかりに人の頭を叩きにいくような人たちに待ったをかけられるもの』だ。そういうものが見たい。個人としては、趣味で活動しているラップでいつかどこかで吐き出してみたい。


また芸人が芸人を分析するようなスタイルが増えてきたように感じられる。今は一人一人が発信者で人間の自然な欲である承認欲求を満たそうとしている。有名になることを求めているので、自己ブランディングに役立つものが受けているのかも知れない。


もしくはこれもまた、情報が氾濫している現代社会だからこそ「分析が得意な人が発信している情報」という一度フィルターにかけられた情報が求められているのか。知らんがな。


このあたりは、最近よく耳に入ってくる、「解像度」(社会に対する)という言葉ともリンクしているように思う。私自身の性格として分析は好き。当たっているかは別の話。色々なタイプの人間がいる。


ぐだぐだと取り止めなく書かせていただきましたが、ゴッドタン めちゃくちゃ面白かったです。田中さんが東野さんのすごさを語る番組とかもあったら見たいです。


追伸。関係ないけど、ゴッドタンのエンディング曲がバンドじゃないもんに変わっていて、みさこさんを探したけど馴染みすぎていて見つけるのに時間がかかった。みさこさんも同い学年。現役最年長アイドルなのではないだろうか。