田中まじめ滅餓寧武露愚

よろしくお願いします。

好きな小説を思い出す回

回です。

 

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『人間関係三選』

 

こころ(夏目漱石)、言わずと知れた夏目漱石先生のこころ、現代的な倫理観から離れているという意見を見たこともあるけどむしろ登場人物に感情移入できて楽しめた。それは僕の倫理観の話ではなく筆者の流れるような読んでいて心地いいような文章のおかげ。文章の美しさみたいなものを感じ、そら紙幣なりますわと思った。

 

次郎物語下村湖人)、長男が祖母から可愛がられるけどそこに長男の人格はないみたいなところの描き方が印象に残っている。中学生のとき、司書の先生に勧められて読んだ。司書の先生、僕の何かが見えていたのか。

 

百歳(色川武大)、父との関係は良くなかったけど父が長生きしてそこに対して思うアレコレ。新聞で紹介されていて読んでみたら面白くて覚えている。そこで色川武大を覚えた。

 

『ストリート感覚(短編)三選』

 

東京のプリンスたち(深沢七郎)、「ラブしちまったのか?」というセリフがクールだった。昔の作品だけどラブに対しての距離が現代的な気がした。皆んな遊び方や雰囲気がカッコイイ。楢山節考カップリング。

 

いづこへ(坂口安吾)、キングオブかっこいい小説。どうしようもない主人公も魅力的だし、これも夏目漱石のこころに匹敵するくらい読んでいて気持ちいいリズムだった。初めて読んだときあまりのかっこよさに続けてもう一度読んでしまった。ミスドで。坂口安吾さんは新潟市出身ということもあり強く興味を持っている。

 

東京小説・ぼくの町篇(野坂昭如)、「やると『コキーン!』ってなるから『コカイン』やねんな」というセリフ、薬物を売る焼き芋屋、それに対して唇に指を二本あててウィードを注文する少年。日本のトレインスポッティングのようだった。野坂昭如さんは「火垂るの墓」の原作者。こちらの方も新潟と縁が深い。

 

『ミステリ作家三選』

砂の女安部公房)、すみませんこれもキングオブかっこいい小説。狂った設定もその世界に引き込む文章力もキワキワ。読んでるとジャリジャリしてくるようだ。不条理。読み手の想像力に訴えかけてきて映画より小説が好きだという気持ちにさせてくれる作品。多分ジャンルはミステリーじゃないけど、ミステリーと呼びたいくらいリアル。

 

暗いところで待ち合わせ(乙一)、高校生の頃、最初に読んだときの衝撃たるや。こんな話ある!?とオチを読んでめちゃくちゃビビった思い出。オチの持っていき方も気持ちいい。小説だからこそ。平面犬、死に損ないの青、そ・ふぁー、も好き。特に、そ・ふぁー好き。乱暴な表現だけど東野圭吾星新一の間くらいで好きなバランス。リアリティの要素を残しつつファンタジーも強すぎないような。

 

毒笑小説(東野圭吾)、筆者の学生時代の話。面白い。これもミステリーではないけど「泣かせるより笑わせる文章の方が難しい」というセリフが印象深かったので紹介したくてミステリー作家部門で。

 

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いつか働かなくて良くなったら本を読みたいです。それだけで幸せだなと思いリストアップしてみました。他にやりたいことがたくさんあってなかなかできないけど、本はなくならないので引退したらゆっくり読んでいきたいです。あと昔のゲーム。漫画。映画など。以上、ばーい。