田中まじめ滅餓寧武露愚

よろしくお願いします。

【映画】いまを生きる【ネタバレあり】

友人ブリングバックおすすめより。あり


物語の肝は、詩を人生になぞらえて、詩とは何だ=生きるとは何だ、ということを問いかけるものだったように思う。


生きる理由を芝居に見出していたニールは、親から強制的に芝居を否定され、生きる理由が分からなくなってしまう。


養われて生きているという立場もある一方、親が示す生き方には自分の意思がない、若さゆえに視野が狭かったニールは死を選んでしまう。原題である「死せる詩人」とは自分を解き放ち自由を得たニールのことだったのか。たぶんもっと鋭い考察がありそうなので探したい。


親子という関係の中で、性格・我・意思・人生観の不一致を尊重できなかったところが問題だと思った。


親は、それが幸せになるベストだと思い子に圧力をかけてしまうが干渉が行き過ぎると虐待になってしまうことを忘れてはいけない。


劇中に教育とは独立心を養うことであるという意味のセリフがあり考えさせられた。独立心とは社会に対して自分がどのように存在するか考えることだと思う。


岡潔という昔の数学者の言葉を最近知って良いなと思ったので以下に引用する。


「人の長所がわからず短所に対する厭悪感の強いのを小人といい、人の長所がよくわかり短所に寛大なのを君子といいます。そして、古人は、君子をつくり小人をつくらないのを教育の根本方針としていたのです。」


自分もできていない。独立心を養うことも違うようで似ている気がした。


教育を受ける側として「そうなんだ」と素直に受け取るタイプと「なんで?」とロジックを求めるタイプがいる。


「なんで?」には本当に分からなくて追求するパターンと、「自分はこう思う」などプライドが邪魔をして反発するパターンがあるように思う。後者が世に言う「我が強い」。


素直も追求も我が強いタイプも、ときと場合により良い悪いではないけど、人の長所がよく分かり短所に寛大な君子を目指して社会に参加していきたいと思いました。


感じ方は人それぞれ、色々と考えさせられる良い映画でした。勧めてくれてありがとう。まる。


ばーい。