田中まじめ滅餓寧武露愚

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2020M-1を見た感想

(個人の感想です)


M-1を見た。結果的に言うと面白かった。毎年印象は変わるけど更に今までとは違う面白さだった。


最初、今年のラインナップを見たときに期待する気持ちが少なかった。かまいたち、和牛、ジャルジャルなど「ここで絶対に笑える!」という期待感を持たせる組が決勝に並ばなかった。


それは自分にとってのM-1の世代交代が行われたというだけの意味で、現在進行系でお笑いを追いかけている人たちは今まで通り「期待感」と「未知のニューフェイス」または「推し」などの構図で楽しめたことと思う。


そんな自分の都合によりシケたムードで見始めてしまったM-1グランプリが、「おいでやすこが」と審査員たちとのやりとりにより一変した。


「おいでやすこが」の芸風は自分にとって面白いものではないけど何故か笑ってしまった。いわゆる「順番が良かった」というやつなのかも知れないけど、ネタの考察はできないので後でプロの意見を拝見しに行こうと思う。(99ANNノンスタ石田さん解説など楽しみにしています!)


「空気感が変わった!」と思った瞬間は、審査員側から優勝したらどうするの?という内容のコメントに対して「あるかぁ!」と突っ込んだところだった。


優勝を目指すグランプリというものがあって批評されるという固さを持ったM-1の空気感に「俺は優勝じゃなくてネタを楽しむこととお客様に笑って欲しくてM-1に来ているんだ!」というおいでやすさんの明確なカウンターが決まったように感じて、その強烈な気概を勝手に感じて心が解された。


自分は美容師をしていて、「自分が良いと思う髪型を作りたい!」と「お客様に喜んで欲しい!」というモチベーションで、それが叶えられるように努力している。


それがそのまま、「自分たちが面白いと思うネタを作りたい!」と「お客様に笑って欲しい!」というモチベーションで芸を磨く芸人さんたちに重なり、日本一を決める大会の決勝進出者のとんでもない熱量が一気に自分へと流れ込んできたようだった。


しかし、やる側がどれだけの熱量を持っていても相手に熱量が伝わらなければ仕方がない。お客様にどう思ってもらうか。


(と、現時点では思っている。これは自分の性格。気にせず職人気質に全フリすることにも憧れるがどうも自分の性格では難しそうだ)


そして、どう感じるかは人それぞれ。名作とされる映画でも音楽でも何でも面白いと言う人もいれば面白くないと言う人もいる。どう感じるかは全く自由。


そのような思考回路を辿った末に、自分がM-1を楽しむために「良いネタを作るために努力している人たち」という視点が圧倒的に足りていなかったことに気が付きハッとした。


「笑いたい」という需要に「笑い」を供給できるように努力している人たち。「ありがたいな」と感じたところから今年のM-1がより楽しくなった。これはきっと汎用性の高い考える技術。


「面白い」といえば「面白くない」という人もいて当然。どう感じても本当に自由。ただ、できることなら「面白い」と自分が感じられることを世の中に増やしていきたい。受け身なのではなく、自分の考え方の技術を習得させることにより。


全て自分の脳内で起きた妄想だけど、また一つ自分の喜ばせ方を教えてもらったようで新しい感覚を得た2020年のM-1グランプリだった。以上。