【読書】岡潔/数学する人生【感想】
岡潔(1901〜1978)
ツイッターによく名言が流れてきて興味が湧いたので著書を読んでみた。
日本数学史上最大の数学者で、その功績を称えられ国から文化勲章を受けたほど頭の良い人。
「最近みんな生きづらそうでやばない?」と思って生きることについて、みんなのためにめちゃくちゃ考えてくれた人でもある。
すごく簡単にまとめると、「目で見て自分で考えて実感を信じて生きよう」というメッセージを感じた。
現代の生きにくさは、敗戦後に西欧から入ってきた唯物主義と個人主義にあるのではないかと。
唯物主義というものは、「夏は冬より暖かいから良い」というものらしく、その前は、「比べなくても四季は良い」だったそうだ。比べない心、大事。
仏教の悟りの境地を科学的に解明しようとしていた。ただ「科学的に解明」というものも唯物主義なのか、知らんけど。
頭良い人が頭良い人の世界を分かりやすい言葉で語ってくれている気はしたけど難しくて分からなかった。でも面白い。
「情」「情緒」「懐かしさ」など、実際の生活で使う言葉の意味とは少し異なるような意味を持たせて使っていた。自分の感覚を置き換えられるような単語が無かったので勝手に置き換えたらしい。
ちなみに岡潔による「情緒」とは、「野に咲く一輪のスミレを美しいと思う心」そのもののことらしい。なるほど分からん。でも何か良いな。
「この編集した森田真生さんって人、岡潔の考えを理解しててすごいなー」と思ったら自分と同い年だった。東大卒。ぜんぜん上の世代の人かと思った。
ここで引け目を感じるでは無く、「あぁ、この人は頭が良くてスゴイなぁ」と素直に感じることが生き易さにとって大事という感覚は本を読んで分かった。ありがとうございます。
難しかったけど面白かった。または、「これを面白いと思わないとヤバイ」と思わせるような魅力があった。これはすごいこと。また折に触れて読み返したい一冊でございました。以上。まる。